薬のこと

一昨年の秋から減薬・断薬した後、昨年の春に服薬再開し、また少しずつ少しずつ減薬。そして今年の2月に断薬、今に至る。今でも攻撃的になったり興奮する時もあるけど、必ず何かしらの理由がある。側から見たら、薬を辞めたから病状が悪化したと思われるだろうけど、私はそうは思わない。統合失調症は服薬が必須で、薬の助けがないまま放っておくと、どんどん悪くなる、みたいに言われることもある。だとしたら、服薬なしの安定はあり得ないということ。では、一切飲まずに落ち着いた状態になる時があるのは何故か。最近は新居も片付いてすっきり過ごせるようになって、新生活に慣れてきたのもあり、穏やかに過ごし全く問題ない時間が増えてきた。やっぱり今の状態は再発ではなく、薬の離脱症状と考える方が自然。そもそも長期で服用するべきでなかった。服用したことで余計脳が弄られた感じ。薬さえ飲んでおけば良いというのが大きな間違いで、今になって自分の弱さ、社会に出た時の困り事と向き合わないといけなくなった旦那さん。服薬して落ち着いて社会生活が送れている方達もいるのは知っている。それと、服薬させないとどうしようもない程重症の人がいることも。

引越し前に生活面の相談に市役所に行った後、近くの精神科を紹介され、転院するつもりは全くなかったけど、興味本位で受診に付き添ってきた。旦那さんが先生と話した後、私だけ呼ばれて診察室に入ると、神妙な面持ちで「明らかな幻覚妄想がある。今は服薬拒否しているので無理強いできないが、長い目で見て飲んでもらって治療しよう。」と言われた。反論する気もなく、「分かりました。」と言いながら、先生に言われたことを旦那さんにバラして、もちろんその精神科にはもう行っていない。医師の診察前に20分程度臨床心理士による問診があったけど、旦那さんの状態状況はあれだけでは分かるはずもないし(私からの客観的な情報もほとんど聞き取られなかった)、医師の診察もほんの数分だけ。臨床心理士の方も、付き添ってくれた就労支援関係の方2人も、私達とは違う世界にいるような感じで、それが怖かった。今のコロナ禍と似ている。確かにあの場では旦那さんは興奮していて普通ではなかったけど、それだけを見て判断されてしまうんだなと改めて思った。旦那さんを良くするためにと思ってもらっているのかもしれないけど、あまりにも想像力がないというか、浅はかというか…。その場の症状しか見ておらず、武器は薬だけ。先生は口が上手いのか、旦那さんは先生と話して安心したような顔をして診察室から出てきたけど、そういう点では「良い先生」なんだろうな。

旦那さんの興奮したり怒ったりする所は、脳が根本の原因なのではなくて、今までに受けた強いストレスを自分で対処できず、心が潰れてしまって、歪んだ思考になってしまったこと等によるものだと思う。脳は二次的に狂ったような状態。ドーパミンを抑えることで興奮を抑えて、落ち着いたように見せかけ、はい薬は一生飲みましょうっておかしくない?