アンチ精神医療①

私がアンチ精神医療なのは、以前心療内科・精神科のクリニックの隣にある薬局に勤めていた経験から。その頃は私も若くて今よりもっと未熟で、分かっていなかった部分は沢山あったけど、それでも、何かがおかしいということは肌で感じていた。私がその薬局に異動してきた数年前に開院したばかりのクリニックの処方箋枚数はうなぎ上り。どこから患者達は湧いてくるんだろうと不思議に思いながら、どんどん増えていく処方箋をさばいていくのに必死だった。門前の総合病院からの処方箋もあるのに、薬剤師の数をなかなか増やしてもらえず、ほとんどの患者のお薬を分包しないといけなくなり、もうてんやわんや。ガラが悪い地域だったので余計に…。同じ系統の薬剤を重ねて処方したり(疑義照会しても、処方変更されることはない)、明らかな多剤投与は日常茶飯事だった。それでも、医師の指示に従うしかなく、すぐに感覚は麻痺していった。異動前に所属していた薬局の門前の総合病院の小児科医による、抗生物質を長期で出しまくる無茶苦茶な治療もたいがいで、そこの患者でまだ当時小学生だったある兄弟は、すでに小児科で大量の薬を処方されている状態で(ステロイド剤や抗アレルギー剤など、2人分の薬を用意するのに1時間以上はかかった)、その心療内科にまでかかり出した時は、正直なところ「あぁ…終わったな」と思ってしまった。そのお母さんが先に受診するようになったんだったかな。どんどん太っていってたなぁあのお母さん。あの親子は今頃どうなっているんだろう。他にも、眠れないと眠剤を出されていた十代の男の子も忘れられなくて。眠剤、本当に必要だったんだろうか。いや、飲まなくて良かったと思う。全く眠れず、それだけでお腹いっぱいという程の量を服用していた女の人、いつも肌がくすんでいて、目の下はクマだらけだったな。薬を渡すまでにいつもかなり時間がかかっていたけど、文句も言わず待ってくれていた。あの人は今ちゃんと眠れているんだろうか。未だにほとんどの患者の顔と名前まで覚えているのは、不安定な状態のため通院が頻繁だったからと、自分の中でそれほど印象に残っているから。

もうね、まさに負の連鎖。日本は、特に精神医療の分野で患者の根本的な問題に深く介入できるサポート体制がほとんどない。すごく難しい話ではあるけど、もっと国を挙げてなんとかできたら、国全体の民度が上がり、犯罪や不幸な人が減るのではないか、という友人の意見に賛成。

医療従事者は裏の事情を知る機会が多いのに、見て見ぬ振りをしていることが多々ある。患者にジェネリック医薬品を勧めるくせに、自分は先発品を希望するし、家族にも先発品をもらうよう勧めたり。私は絶対自分の子供にあの小児科にかからせたくないし、家族にあの心療内科には行かせない(他の心療内科や精神科にも)。患者に、「大事なお薬なので特に問題なければ継続して飲んでくださいね」「血液検査で異常がなければ大丈夫ですよ」なんて言うくせに、自分の家族のことになれば話が別なのが悲しいところ。薬剤師を例にすると、果敢に医師に意見したり(院内の薬剤部ならともかく、薬局の薬剤師は経営のこともあるので非常にハードルが高い。私だけ?)、強くて素晴らしい医療関係の方々ももちろん沢山いるはずだけど。

なんだかなぁーー。